浅井
この案件は、ジョルダンさんに協力いただき「自治体独自ルール」をクリア、無事にシステムを納品でき、お客様に高い評価をいただきました。
続いて新たな相談先、これは首都圏にある本当にビッグネームのお客様だったのですが…バス路線の交通費計算をとにかく充実させたいというお話が舞い込んできました。
そこで、改めて他社含む経路検索ソフトを検証したんですね。すると、『乗換案内』よりも網羅性が高い製品が複数ありました。ジョルダンさんでなく他社を選ぶか、前案件でカスタマイズをしっかりやっていただいた『乗換案内』にするか検討が必要になり、迷いました。その時、大和田さんに相談しました。
「大和田さん、バス路線どうにかなりませんか?」と。
大和田
当時のことを思い出しました。実をいうと、そのときは今ほど路線バスの需要があまりなかったんです。ユーザーさんの声を聞いても、路線バスを使う方は本当に少なかったので、そんなに力を入れなくてもいいかなと我々は考えていました。しかし、徐々に「路線バスはないんですか?」という声が聞こえてきていた時期でして。
ただ、皆さんご存知の通り、路線バスは電車と違ってバス停や路線の数が膨大です。日本全国をカバーしようとすると、どうやってやるんだろうと考えながらも、他社さんではだいぶ進んでいる状況もありました。ジョルダンとしてもどこかで思い切ってやらなければいけないと思っていた。その時にちょうどご相談いただいたんですよね。
浅井
そうでしたね。でも、検討や交渉を重ねていくうちに他社さんも「カスタマイズやりますよ」と言い始め、「ジョルダンさん、本当に頑張ってくれるんですか?」というやりとりもありました。そこで改めてお電話をいただき「やりますよ、うちは投資をかけます」と。これは後日談になりますが、「数億円かけて投資をしました」と聞きました。お言葉どおりバス路線強化をやるということで…ジョルダンさんは翌年の4月に採用人数を大幅に増やしたんですよね。
ジョルダンさんには、かなり力を入れてバス路線強化に対応していただきましたが、いろいろと相談しながら進めていく中で、情報を提供してくれないバス会社さんも出てきました。
大和田
はい、思い切って増員しましたね。バス会社さんも当時はシステムが進んでいなかったり、(運賃表が)手書きのところが多かったりして、協力はしたいのだけど…お出しする資料が整っていない会社さんも多かったのが実際です。
浅井
そうそう…。主要なバス会社さんでも対応が厳しい状況でした。何度もジョルダンさんにお願いをして。それでジョルダンさんもバス会社さんと打ち合わせを重ね、説得されたんですよね?
大和田
はい、説得を続けていました。利用者含め世の中を便利にするために、データ提供にご協力いただけないかと。ずっと重ねて交渉をさせていただきました。ただ、そうではない部分もたくさんありましたね。
浅井
(首都圏でも)中心から離れた方に行くと本当に情報がなかったり。自治体でもいろんな役場や施設があり、バスでしか行けないところもあります。そういったところの経路が必要となるため、我々は藁をもすがる思いで大和田さんに頼ってみたというか。
「分かりました。情報提供ができないなら、自分たちで情報を取りに行きますよ」と、ジョルダン社員の皆さんが実際にバスに乗ってバス停や運賃などの情報を取りに行ってらしたんですよね。本当にやるの?と思いつつ…そこまでやるのか!と非常に感服しました。
大和田
地方ではバスはとても重要な交通手段で、1時間に10本あればそのうち来るだろう。でも、1時間に1本なら、その時間を目指していかないとバスに乗れないですよね。ということは、本数が少ないほど情報の価値が高くなります。ただ(地方に行けばいくほど)、その情報をもらえない。では、自分たちで調べましょう、ということになりました。
浅井
ありがとうございます。そんな(地道な)対応をしていただきました。
私共の自治体様向け庶務事務においても、お客様に非常に細かな規約規程があり、出退勤の管理や扶養手当・住居手当についての複雑な制度などにきめ細かく対応しています、お客様に寄り添って。その精神が我々とジョルダンさんも同じだなと思い、非常に信頼関係が生まれました。
大和田
ジョルダン『乗換案内』を採用いただいて、NTTデータ様本社含め、いろんな会社様に拡散していただいて本当にありがたいなと思っております。
浅井
そんな関係を続けて…現在も47都道府県をターゲットに頑張っておりますので、一緒にお客様に貢献できるようにやっていきたいと考えています。