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『会計・財務 EXPO』ジョルダンブース クロストーク
自治体向け庶務事務業務の効率化
ジョルダン株式会社と株式会社NTTデータ東海による、自治体向け庶務事務業務の効率化プロジェクト。その背景には、複雑な自治体の手続きをサポートするシステムの開発や、20年以上にわたる信頼関係がありました。今回の対談では、両社がどのようにしてシステムを構築し、全国展開を果たしたのか、そして未来への展望について、貴重な裏話を交えて語っていただきました。
ジョルダン株式会社営業本部 営業部 部長
大和田直義
株式会社NTTデータ東海第一事業部 事業部長
浅井寿夫
20年のパートナーシップだからこそ実現した自治体向け庶務管理の煩雑さを解消
大和田
今日は、NTTデータ東海の浅井さんにお越しいただきました。浅井さんとは20年来のお付き合いになりますね。ありがとうございます。もう…感謝しかないですね。
浅井
浅井でございます。NTTデータ東海の公共部門である第一事業部で事業部長をしております。なぜ20年来の付き合いが続いているのか、また今後一緒に未来を歩みたいということでお話させていただこうと思います。

まず「NTTデータ東海」の紹介を簡単に。業務範囲は公共、金融、法人、新社会基盤分野など多岐にわたります。私の事業部では、特に自治体様向けのシステムインテグレーターとして、行政事務の効率化に貢献すべく取り組んでいます。

その中で、自治体職員の働き方改革に寄与する庶務事務『SMART SHOMU』パッケージにジョルダンさんの『乗換案内』や『乗換案内道路ナビ』を組み込んで、全国に展開しております。

『SMART SHOMU』は自治体内部システムで、職員が氏名や住所、時間外勤務や休暇、扶養手当、住居手当など、様々な申請をサポートします。そこには出張に関する旅費や通勤手当の管理もあり、ジョルダンさんの乗換案内等と連携して実現しておりますので、ジョルダンさんの存在あって成り立っている機能です。
煩雑な”自治体独自ルール”解決への挑戦と連携
大和田
NTTデータ東海さんは、東海地方だけでなく、自治体向けに日本全国を対象に営業されているんですね。
浅井
はい、そうです。全国にあるNTTデータグループと連携して各エリアの自治体様に展開し、大変好評を得ています。さて、ここからは、なぜジョルダンを選んだのかというお話になります。
大和田
20年前ですかね…、我々若かったんですよね。ちょうど本当に20年前なんです。ジョルダンが某都道府県様の庶務事務システムをサポートしよう、というタイミングがNTTデータ東海様との関係の始まりでしたね。
浅井
NTTデータ東海が、自治体様向けに庶務事務システムを提案することになったとき、旅費規約・規程が非常に複雑で、「自治体独自ルール」と申しますか…申請や認定が非常に煩雑であるという問題がありました。職員と総務部門で、通勤経路について揉め事がよく起こる、という相談を受けました。これを何とかITの力で解決できないかと。

そこで、いくつかの経路検索ソフトや運賃検索ソフトとの連携の検討しました。ジョルダンさんの前にも他の会社さんとの連携も検討していました。しかし、「自治体独自ルール」の旅費の複雑な規程に対応するためには、相応のカスタマイズが必要で、特に条件検索の部分ですね。やはり各社さんはパッケージ寄りのため、対応が難しく難色を示されました
大和田
うちもパッケージだったんですけどね(笑)。初めて相談されたとき、できても高くなっちゃいますよ。とお答えしたと記憶しています。
浅井
そうでしたね(笑)。お客様の予算的にもカスタマイズが高額になるとさすがに導入が難しいという事情もありました。そんな中、ジョルダンさんだけが「いくらだったらいいのですか?」と逆に聞いていただけました。
大和田
はい、お話しさせていただきました。もちろんカスタマイズとなるので、費用はかかるのですが…予算感を聞いてから判断すればいいかと。
浅井
そこから話は進んで、コスト面でも柔軟に対応していただき、有り難かったと思っています。例えばここにある『乗換案内』のカスタマイズ例ですが、専門的な手を入れていただき、非常に助かりました。
ジョルダンだから実現できた、バス情報の拡張を軸とした効率化への更なる飛躍
浅井
この案件は、ジョルダンさんに協力いただき「自治体独自ルール」をクリア、無事にシステムを納品でき、お客様に高い評価をいただきました。
続いて新たな相談先、これは首都圏にある本当にビッグネームのお客様だったのですが…バス路線の交通費計算をとにかく充実させたいというお話が舞い込んできました。

そこで、改めて他社含む経路検索ソフトを検証したんですね。すると、『乗換案内』よりも網羅性が高い製品が複数ありました。ジョルダンさんでなく他社を選ぶか、前案件でカスタマイズをしっかりやっていただいた『乗換案内』にするか検討が必要になり、迷いました。その時、大和田さんに相談しました。

「大和田さん、バス路線どうにかなりませんか?」と。
大和田
当時のことを思い出しました。実をいうと、そのときは今ほど路線バスの需要があまりなかったんです。ユーザーさんの声を聞いても、路線バスを使う方は本当に少なかったので、そんなに力を入れなくてもいいかなと我々は考えていました。しかし、徐々に「路線バスはないんですか?」という声が聞こえてきていた時期でして。

ただ、皆さんご存知の通り、路線バスは電車と違ってバス停や路線の数が膨大です。日本全国をカバーしようとすると、どうやってやるんだろうと考えながらも、他社さんではだいぶ進んでいる状況もありました。ジョルダンとしてもどこかで思い切ってやらなければいけないと思っていた。その時にちょうどご相談いただいたんですよね。
浅井
そうでしたね。でも、検討や交渉を重ねていくうちに他社さんも「カスタマイズやりますよ」と言い始め、「ジョルダンさん、本当に頑張ってくれるんですか?」というやりとりもありました。そこで改めてお電話をいただき「やりますよ、うちは投資をかけます」と。これは後日談になりますが、「数億円かけて投資をしました」と聞きました。お言葉どおりバス路線強化をやるということで…ジョルダンさんは翌年の4月に採用人数を大幅に増やしたんですよね。

ジョルダンさんには、かなり力を入れてバス路線強化に対応していただきましたが、いろいろと相談しながら進めていく中で、情報を提供してくれないバス会社さんも出てきました。
大和田
はい、思い切って増員しましたね。バス会社さんも当時はシステムが進んでいなかったり、(運賃表が)手書きのところが多かったりして、協力はしたいのだけど…お出しする資料が整っていない会社さんも多かったのが実際です。
浅井
そうそう…。主要なバス会社さんでも対応が厳しい状況でした。何度もジョルダンさんにお願いをして。それでジョルダンさんもバス会社さんと打ち合わせを重ね、説得されたんですよね?
大和田
はい、説得を続けていました。利用者含め世の中を便利にするために、データ提供にご協力いただけないかと。ずっと重ねて交渉をさせていただきました。ただ、そうではない部分もたくさんありましたね。
浅井
(首都圏でも)中心から離れた方に行くと本当に情報がなかったり。自治体でもいろんな役場や施設があり、バスでしか行けないところもあります。そういったところの経路が必要となるため、我々は藁をもすがる思いで大和田さんに頼ってみたというか。
「分かりました。情報提供ができないなら、自分たちで情報を取りに行きますよ」と、ジョルダン社員の皆さんが実際にバスに乗ってバス停や運賃などの情報を取りに行ってらしたんですよね。本当にやるの?と思いつつ…そこまでやるのか!と非常に感服しました。
大和田
地方ではバスはとても重要な交通手段で、1時間に10本あればそのうち来るだろう。でも、1時間に1本なら、その時間を目指していかないとバスに乗れないですよね。ということは、本数が少ないほど情報の価値が高くなります。ただ(地方に行けばいくほど)、その情報をもらえない。では、自分たちで調べましょう、ということになりました。
浅井
ありがとうございます。そんな(地道な)対応をしていただきました。

私共の自治体様向け庶務事務においても、お客様に非常に細かな規約規程があり、出退勤の管理や扶養手当・住居手当についての複雑な制度などにきめ細かく対応しています、お客様に寄り添って。その精神が我々とジョルダンさんも同じだなと思い、非常に信頼関係が生まれました。
大和田
ジョルダン『乗換案内』を採用いただいて、NTTデータ様本社含め、いろんな会社様に拡散していただいて本当にありがたいなと思っております。
浅井
そんな関係を続けて…現在も47都道府県をターゲットに頑張っておりますので、一緒にお客様に貢献できるようにやっていきたいと考えています。
”AI化”を視野に入れた未来への展望
大和田
それでは、これから(我々)どうしましょうというところですね。
浅井
ITの力で効率化を進めつつ…、例えば「旅費の申請」というのは、とあるお客様ですと1日に2000件、3000件の申請が上がってきます。すると審査のバックオーダーが1万件以上になることもあります。それを担当の方がひたすら審査するんですよね。

路線が廃止になることもあります。そんなとき、ジャストタイミングで適正な経路や運賃を検索できるかも求められるようになってきています。

また、大きなイベント、例えばオリンピックですとか万博とかありますね。自治体の職員が動員され、一斉に出張ということもあります。平常時に2、3000件なんですが、さらに大量な申請をひとつひとつ審査するのは大変です…。
大和田
1日に2000件、3000件も申請…?いやそれは、何人で対応するんだって話ですよね。
浅井
そこで今、自治体さんではアウトソーシング、民間企業に審査・認定業務を委託したりしています。数億円のコストをかけてシステムを導入し、さらに審査・認定のBPOにもお金をかけ、これらの費用は市民県民の税金を使っているわけで、そこを何とか(効率的に)解決したい、といった相談をいただいているなか、それこそ「AI認定」という新商品を拝見しました(ブース内の掲示を見渡して)。
大和田
はい、あります。『Smart Route Pro』。まさにこれですね。
浅井
そのような機能を我々は求めていて。今日このブースに来て、「これこれ!」という感じでした。

AIを搭載した機能拡張をぜひ一緒にやらせていただきたいと思っています。また、首都圏や東海、東名阪エリアなどでは鉄道・バス利用で日帰り出張がほとんどですが、そうじゃないエリアでは飛行機を使ったり、宿泊を伴う出張が多い。やっぱり経済性ではパック旅行ですよね。

しかし、実際にはいろいろな旅行会社と自治体が提携してパック旅行を扱っても、安いところを選ぶことはわりと手間がかかります。『乗換案内』を使っていると「パック旅行」が表示されますよね?旅行商品の連携をもうちょっと充実させていただければ、全国の自治体に「効率化できますよ」とオススメできるようになると思いますね。
大和田
パック旅行については、弊社系列の旅行代理店「ジョルダントラベル」で取り扱っておりまして、確かに安くできる部分もありますね。でも、自治体さん職員の出張で「旅行パック」で精算されるんですか?
浅井
しますね。だいぶ安くなりますから。自治体の職員は市民県民の税金で出張するわけで、経済性が重要なんです。ぜひ『乗換案内』に旅行商材を充実させていただけると、我々も一般の企業様もとより自治体様に対してもっと効率化できるんですよ、とアピールできるようになりますね。
大和田
ありがとうございます。これからさらにサービスを強化していくためには、いっそう経済的かつ効率的な経路、チケットの販売、認定作業のDX化が必要ですね。この経路は本当に正しいのか、遠回りしていないのか、定期券をちゃんと使って移動しているのか、などなど。

基本は職員・社員を信用していただきたいですが、そうでないご担当の方もいらっしゃるので、それをAIを組み合わせたシステムがきっちりと審査できるように、なればと。
浅井
そうですね、はい。
大和田
今日は、どうもありがとうございました。
浅井
ありがとうございました。
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